現在の柔道協会の設立以前、昭和35年に剣淵町体育協会が設立された頃、当時、歯科医師として在町されていた故黒田芳松氏を会長として、現在の協会の前身である剣淵町柔道連盟が組織され、名寄柔道連盟に登録されていました。連盟の活動についての記録は残されてなく、活動も休止されていました。
若い人の間で練習が再開されるようになった頃、練習する場所がなく、和寒町に通い指導を受け、かつ、一緒に練習をさせて頂いた時期があり、現在協会の中枢を担う指導者の技術もこのころに磨かれたところですが、昭和46年から高校の教諭であった湊義弘氏の指導のもとに小中学生を対象としての柔道教室も開催されるようになり、柔道に対する活動が活発となってきました。
昭和52年4月、道民スポーツ大会への出場を目指して本格的に柔道の練習に打ち込んでいた若手の間で、屯田町在住の笠井輝正氏を中心として休止状態にあった柔道連盟を新たに「剣淵柔道協会」と名称をかえて発足させることとなり、新協会々長には故西尾不二夫氏に就任して頂きました。
(当時のメンバー;笠井輝正氏、湊義弘氏、磯川久夫氏、三浦和芳氏、 西尾政男氏、三浦英明氏)
西尾会長には、平成8年3月31日までの20年間、協会長として在職頂いたところですが、特に平成2年の武道館完成は、氏の一方ならぬご尽力なくしてはなかったものと、改めて感謝を申し上げるところです。

それまで、練習場所は協会設立の際に町民体育館を練習場所として定めたのを始めとして、昭和55年には旧公民館へ、昭和57年には新公民館へと転々と移転を重ね、新公民館で練習をしていたときも、まちづくり運動がにわかに活性化してきたことにより一時的に社会福祉センターに畳を敷いて練習するなど、活動にも支障をきたした時もあっただけに武道館(士別市 大野土建株式会社建設)の完成は、柔道協会が確かな拠点を得た大きな出来事であり、平成3年の1月より水曜日と金曜日を練習日として使用を開始しました。この年(平成2年度)は柔道協会の30周年、育成会の10周年にあたり、武道館のオープン記念柔道大会を1月20日に開催し、その年の2月23日には山口香さん(1984年第3回世界選手権女子52Kg級金メダリスト)を招き、柔道教室も開催しています。
西尾不二夫氏は、柔道協会長を平成8年4月1日より、3代目を磯川久夫氏に託した翌年の平成9年1月19日享年74歳で逝去されました。
氏の在りし日を偲び、長年の功績を称えるため、西尾杯少年柔道大会を平成9年11月16日に第1回大会として実施し、以後毎年実施してきております(現在は、名称を変え1市3町交流試合として開催)。

剣淵町で行っている柔道大会については、始まった当時は剣淵町商工まつり協賛少年柔道大会として開催しました。その後、商工まつりと産業まつりがひとつとなり、ふるさと祭りとして例年実施されていました。ただ、ふるさと祭りの時期は農繁期でもあり、実施が大変であることから時期と名称を変更し開催しているところです。
少年団活動については、前述の湊義弘氏の柔道教室開催が契機となり、昭和53年に小学校に赴任してきた吉崎隆氏(教諭)により本格的なクラブ活動として子供達の育成が開始され、昭和57年11月、柔道スポーツ少年団育成会(初代会長 岡典義氏)が発足しました。
この育成会組織化と少年団活動の展開の背景には、特に、昭和54年から58年までの間、剣淵小学校の校長を勤められていた近藤友晴氏の強力なバックアップがあったところです。氏には柔道協会に対して、深いご理解をいただき、在職中は協会の顧問として指導をいただきました。

また、昭和57年から平成元年に離町の際までご指導を頂いた小学校教諭 大島邦春氏、昭和61年から平成4年までご指導を頂いた剣淵高校教諭 佐藤忠吉氏など多くの諸先生のご指導を受け、少年団の活動も一層充実してきたところです。現在の柔道教室の指導のメンバーには、当初柔道教室で学んでいた指導者が剣淵町に就職し、自分の学んだものを剣淵町の子どもたちに伝えていく形ができ、現在の会長は高橋敏幸氏が西尾不二夫氏、磯川久夫氏、三浦和芳氏、佐藤博氏に継いで6代目として諸先生方の築いた剣淵柔道の伝統を受継ぎ、息の長い活動を目指して地道に努力しております。

成績も、育成会の設立以前にも昭和55年の士別地区防犯少年柔・剣道大会において小学生高学年の部団体戦で優勝をしていますが、育成会設立の翌年に当る昭和58年頃から目に見えて成果が表れてきました。子ども達の減少により近年は柔道教室への参加者も少なくなってきており成績も振るわない状況ですが、週2回の練習を一時的に週3回にすることや練習方法を見直すなど努力しているところです。教室に通う子どもたちも、中学校卒業までにほぼ初段位を取得するようになってきております。今後も他のスポーツ少年団と協力しながら、剣淵町の青少年の健全育成と柔道競技の底辺拡大のために、柔道協会、少年団育成会が一致協力して運営に努めてまいります。